「この知識なくして金融問題は語れません。たぶん…」

<転記 2009.4.12>

金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った (5次元文庫)

金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った (5次元文庫)

触れている方が居られますが、私もかつてR・キヨサキの『金持ち父さん…』 を読んだときにショックを受けたことを思い出します。そこには、金持ちになるには金をたくさん集めるしかないという、 身も蓋もないようなことが書いてありました。
つまり、世の中のシステムが金が金を呼ぶような仕組みになっており、 少数の大金持ちがさらにお金を集め、その他大多数の庶民は、ただあくせくと働くラットレースで一生を終わるしかない、ということでした。だから金融投資によってお金を集めていくしかないという、現在の金融資本主義そのものを地で行くような内容だったと思いますが、そこでは、この集金システムは所与のものとして扱われ、なぜそのような仕組みになっているのかまでは説明はありませんでした。
本書により、現在世の中がそのような仕組みになっている理由について、ようやく理解できた気がします。

本書のタイトルでもあるロスチャイルドについては多くの方と同様、陰謀論とのからみでしか認識がなく、あまり興味がありませんでしたが、陰謀云々の話は別にして、実際あまりに強大な権力の持ち主であることは確かなようで、まさに世界を支配しているといっても過言ではない様子です。
金融を制するものが世界を制するというのは、当然のことかもしれません。
その原動力は何なのか、単なる支配欲なのか、虐げられしものの復讐心か、分散した民族の復活か、はたまたヤハウェの神託か、その辺がよくわかりません。
また、金融面から見た世界史はなかなか興味深いものがありますが、多数の人物が複雑に絡み合っていて頭がごちゃごちゃしてきます。
とにかく、巨額な金のあるところには必ずといっていいほど、ユダヤ人が絡んでくるということのようです。

全体として多少陰謀論的雰囲気は否めませんし、短絡的に見える結論も見られるようですが、問題提起としては十分で、現在の社会が抱える最大の問題である経済的危機を真正面から捉えるには欠かせない、しかも教科書的には絶対に見ることのない、いわば公然の秘密的な知識に目を向けさせてくれたという点でとても良かったと思います。
最後の章の自立型経済への提案は概略的なものですが、方向性としてはその方向しかありえないと思いますし、今後のさらなる検討と実践が必要なのだと思います。実体金融の真の入門書として注目すべき本だと思います。
特にロスチャイルドという名称に抵抗があって、今まで敬遠してきた私のような人間には、認識を改める上でも有用だと思いました。

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<一言>
この本からレビューを書く事を始めました。
レビューにあるように、現在の社会システムはどこかおかしいのではないかという疑問から、このシステム以外の別のシステムはありえないのか、ラットレースからは逃れられないのか、それを知るためには今のシステムをもっとよく知る必要があるのだと思い、まずは経済に関する本をいろいろ読むようになりました。
しかし、あまり難しい本では理解が追いつかないので、とりあえずは大枠をつかめればと思い、新書を中心に読んでいる次第です。
まだほんの序の口に過ぎませんが、読むほどに現在のシステムの強固さが分かってくるだけのような気がしています。
まだ当分探索は続きそうです。